パソコンからカチカチ音をはじめとする異音がすると、故障やデータが取り出せなくなる恐れがあるため、放置しないことが大切です。この記事では、パソコンのカチカチ音をはじめとする異音について、原因や対処法を解説します。パソコンの異音を解消する際に、役立ててください。

目次
パソコンから聞こえる「カチカチ音」の原因
パソコンからカチカチ音が聞こえる場合、HDDの故障が考えられます。パソコンに内蔵されているHDDが故障し、磁気ヘッドと呼ばれるデータを読み書きする部品が、正常な挙動をしないことで、カチカチ音が発生している可能性があります。以下では、パソコンからカチカチ音がしたときの対処法について解説します。
パソコンから「カチカチ音」がしたときの対処法
パソコンからカチカチ音がした際には、ただちにパソコンの使用をやめましょう。異音がしたままパソコンの使用を続けると、障害をさらに悪化させる可能性があります。データにアクセスできなくなるリスクが高くなるため、注意しましょう。
パソコンからする異音の原因
パソコンからする異音の原因は、HDDの故障以外にもあります。ここでは、4つの原因について解説します。
冷却ファンに何らかの異常がある
冷却ファンの異常で、パソコンから異音が発生する可能性があります。代表的な事例は、以下の通りです。
- ・冷却ファンにホコリが溜まり、通常より風量が強くなっている
- ・ケーブルと絡まっている
- ・冷却ファンそのものが故障している
分解して内部のファンの掃除で解決することもありますが、他の故障を発生させるリスクがあるため避けたほうがよいでしょう。
パソコンの「ビープ音」である
「ブー、ブー」のような機械的な電子音は、パソコンのビープ音である可能性があります。ビープ音は、パソコンの異常を知らせるための音です。ビープ音は、短音や長音などの種類があり、音の種類別に固有のエラーメッセージが異なります。どのようなエラーが発生しているかは、取扱説明書を確認しましょう。
「シーク音」である
シーク音が発生している可能性も考えられます。シーク音とは、HDDの書き込み・読み込みの際に発生する音のことです。シーク音は、空き容量が少なくなると目立つようになります。
正常な動作でも発生するため、特に問題はありません。シーク音が気になる場合、静音のHDDを選ぶようにしましょう。
「コイル鳴き」である
コイル鳴きである可能性もあります。コイル鳴きとは、パソコン内部で、コイルが微細に振動し、音が鳴ることです。周波数の調整や電流の安定などを目的に鳴る音です。特別大きな音でなければ、そのまま使い続けても問題ありません。
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【異音の種類別】考えられる原因
異音の種類から、どのような原因が考えられるかを解説します。気になっている異音について確認してください。
シャー・シーッ
パソコンから「シャー・シーッ」と、擦ったり引きずったりするような異音がすることもあります。「シャー・シーッ」と聞こえた場合、HDD内部で部品同士が接触して、ディスクの回転に異常が生じている可能性が考えられます。動作し続けると、データが取り出せなくなることがあるため、ただちにパソコンの電顕を切りましょう。
カチャカチャカチャ・カックンカックン
「カチャカチャカチャ・カックンカックン」などの異音が連続して聞こえる場合、HDDが完全に故障する寸前である可能性があります。磁気ヘッドが壊れ、プラッタに接触していると考えられます。個人での対応は不可能であるため、使用を中止し、専門業者に依頼しましょう。
カラカラ
「カラカラ」という異音は、ファンとケーブルが絡まってしまっている状態です。冷却ファンの異常であるため、使用を中止しましょう。そのまま使い続けると、ケーブル断線の恐れがああります。個人で対応するのではなく、専門業者への依頼を推奨します。
カリカリ・ジージー
「カリカリ」「ジージー」という異音は、シーク音と呼ばれます。「カリカリ」は、HDD内のデータ検索、読み書きなどの際に発生する音です。一方で「ジージー」は、HDDのデータ容量が残り少なくなったときに発生します。
これらの音が鳴ったときに、強制シャットダウンをしたり振動を与えたりすると、内部HDDの物理障害が起こる可能性があるため、注意しましょう。
ブォー・ブーン
「ブォー・ブーン」は、冷却ファンの回転音で、ホコリが溜まって効率的に冷却できず、風量が強くなっている状態です。音が大きいと感じる場合は、経年劣化かホコリが溜まっている可能性があります。また、HDDのモーターの回転音がHDDと共振して、音が大きく聞こえるケースも考えられます。
やってはいけない!異音がしたときの4つのNG対応
パソコンから異音がした際にやってはいけない4つの対応について解説します。
HDD(ハードディスク)を分解する
HDDから異音がした際には、個人で分解しないようにしましょう。HDDを分解するには、専門的な知識が必要であるためです。個人で分解すると、障害が悪化する可能性があります。
異音がしているのに使い続ける
パソコンから異音がしている状態で、使い続けるのも避けましょう。異音がするまま使い続けると、何らかの故障や障害が原因の場合、悪化する恐れがあります。症状を深刻化させないためにも、最小限の通電にとどめましょう。
再起動やシャットダウンを繰り返す
再起動やシャットダウンは、パソコンに負荷がかかる動作であるため、やめましょう。異音が物理的な障害だった場合、パソコンの通電自体が悪化につながります。
パソコンを叩く
パソコンを叩いたり、揺らしたりするなどの衝撃を与える動作は、決してしないでください。パソコンに衝撃を与えると、異音の悪化や故障につながります。
パソコンから異音がしたときの対処法
パソコンから異音がしたときの3つの対処法について解説します。
ホコリを掃除する
パソコンから異音がしたときには、パソコンに付着しているホコリを掃除しましょう。パソコンに溜まったホコリが原因の場合は、掃除で改善する場合があります。ただし、パソコンを分解して掃除するのはNGです。
掃除の手順は、以下の通りです。
- 1.パソコンの電源を切る
- 2.外部機器やプラグ類を外す
- 3.本体全体や排気口を乾いた布で拭く
- 4.排気口付近にエアダスターまたは掃除機を当てる
- 5.除電ハケでホコリをはく
HDD(ハードディスク)のデフラグをする
HDDのデフラグをする方法もあります。デフラグとは、断片化されたデータを連続で配置し、HDDの読み書きを効率化させる動作です。異音が、空き容量の不足が原因である「シーク音」の際に有効です。ただし、物理的な障害の可能性がある場合は、悪化する恐れがあります。
デフラグの手順は、以下の通りです。
- 1.Windowsの検索ボックスに「デフラグ」と入力する
- 2.検索結果の「ドライブのデフラグと最適化」をクリックする
- 3.設定画面に「ドライブの最適化」が表示される
- 4.パソコン接続のHDDをはじめとしたドライブが表示される
- 5.対象ドライブのデフラグを実行する
専門業者に依頼する
パソコンの修理を優先したい場合は、専門の修理業者に依頼しましょう。しかしこの場合、データは初期化されてしまいます。パソコンに大切なデータが保存されている場合は、データ復旧業者に依頼する方法がおすすめです。無理に個人でデータ復旧を試すと、データを壊す恐れがあるため、専門スキルのある業者に依頼しましょう。
データ復旧業者の選び方
データ復旧業者を選ぶ際には、ホームページに復旧実績が明記されているか、確認しましょう。他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある場合、高い技術力が期待できます。明確な数値を起債していないデータ復旧業者は、技術力を有していない可能性が高いため、信用できかねます。
まとめ
パソコンからカチカチ音がする場合、HDDが故障している可能性があります。異音の種類によって、原因が異なるため、発生している音に合った対策をしましょう。ホコリを掃除する、HDDのデフラグをする、専門業者に依頼するなど対処法はさまざまです。
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執筆者
小菅 大樹(Kosuga Daiki)
■執筆者情報
・会社名:AOSデータ株式会社
・部署名:データ復旧事業部
・略歴:2015年に入社。物理障害復旧部門の立ち上げを行い、HDD・SSD・Flash Mediaの内製化を行った。自身でも1万台以上の物理障害の復旧を成功させている。
・保有特許:特開2017-188178(https://ipforce.jp/patent-jp-B9-6450702)
・過去の講演:車載組込みシステムフォーラム(ASIF)様にて、「ストレージの物理障害対応と車載機器へのデジタルフォレンジックの活用例」をテーマに講演。(https://www.as-if.jp/skillup-seminar-2021-3.html)
・所属団体:NPO データ復旧技術研究会
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