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データ復旧

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2023年2月9日

なぜ低価格でデータ復旧サービスを提供する会社が存在するのか?

注意:あくまでも一般論であり、特定の業者を記事にしたものではありません。

なぜ低価格でデータ復旧サービスを提供する会社が存在するのか?

不揃いなデータ復旧サービスの料金

データ復旧サービスの価格は様々で、どの企業が正当な価格を提示しているのかを知ることは困難です。例えば、インターネットで検索すると、最安値が19,800円と記載されている企業があれば、弊社の価格は41,800円に設定しています。さらに高額な料金を記載されている企業もあります。

弊社では定額制を採用しておりますので、詳しくはURLをご参照ください。
https://www.data119.jp/price/#price_block

今回は、なぜ低価格でサービスを提供できる会社があるのか、その理由を説明します。

結論から言えば、低価格でデータ復旧サービスを提供できるのは「軽い障害に特化した効率の良いビジネスモデル」があるからです。

専門スキルが必要ないビジネスを展開することも可能

話は少し外れますが「過払い金が返ってくる!最大100万円」というテレビCMを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは「過払い金バブル」とも呼ばれており、専門的なスキルは必要なく、事務レベルで営業することができ、弁護士はほとんど関与せずに多額の報酬が得られるため、非常に効率的なビジネスモデルです。また、テレビCMのターゲットも限定的なので、コアタイム以外の時間帯(深夜など)に広告を出すことができ、コストも抑えることができます。

このように、裁判に関連するビジネスの中でも、効率的な案件に絞ってマーケティングすることで高い利益を得ることができるビジネスモデルがあるということです。

話を元に戻します。データ復旧サービスも、軽い障害(HDDの開封作業や高度な技術が不要な復旧可能な障害)に特化することで効率的なビジネスモデルが可能になります。これは、専門的な設備やスキルが必要なく、事前の投資もほとんど必要ないからです。そのため、固定費の割合が低いので、非常に健全なビジネスを運営することができます。また、重度の障害に関しては、他社に委託することで利益を上げることができます。

当社における取り組みについて

当社は、重度の障害であっても、HDDやSSD、フラッシュメディアの復旧に向けて様々な投資を行ってきました。具体的には以下のようなものです。

・設備:マイクロスコープ(高倍率顕微鏡) – 約200万円
・設備:クリーンブースと関連する装置 – 約150万円
・部材:故障部品の交換用のドナーHDD(現在所有分6,000台) – 約1,600万円
・設備:物理HDD復旧用ツール – 約2,000万円
・設備:リボール装置関連 – 約100万円
・設備:SSD、フラッシュメモリ復旧用ツール – 約400万円
・海外からの技術導入(HDD、SSD、フラッシュメディア)
・人材:高度な技術を持ったエンジニアの雇用(HDD物理、フラッシュ物理、モバイル、論理障害毎の専任エンジニア制)
・その他:研究開発費など

初期診断と、それに応じた処置が重要

軽い障害だけに対応するビジネスモデルならば上記のような投資は不要です。そのため、低価格でサービスを提供することができます。

しかし、重度の障害が正確に判断できない場合には、適切な処置が実施できるか疑問が残ります。例えば、体調が悪く病院に行ったとしましょう。その病院は費用も安く、診察はできますし風邪の治療には処方箋を出すこともできますが、他の症状はすべて大学病院への紹介状を受けます。病院は処方箋を出す方がより利益を得られるため処方箋を出しますが、重度の疾患であった場合には手遅れになってしまう可能性があります。

また、風邪薬が原因で状態が悪化する可能性もあります。データ復旧の場合も、不適切な処置によって復旧ができなくなることがあります。お客様には、依頼する前に価格とデータのどちらを選ぶかを考えていただければと思います。

大切なデータを誰に診てもらいたいか?

データ復旧も医療と同じようなものです。重度障害の場合は適切な技術と設備、経験豊富なエンジニアが必要です。値段を選ぶかデータを選ぶかという選択は、大切なデータを失うリスクを伴う為、注意が必要です。

安い費用でサービスが提供されていても、復旧不能になってしまう可能性があることも考えられますので、事前にサービスの提供内容や設備、技術、人材などについて確認することが大切です。

kosuga

執筆者
小菅 大樹(Kosuga Daiki)

■執筆者情報

・会社名:AOSデータ株式会社
・部署名:データ復旧事業部
・略歴:2015年に入社。物理障害復旧部門の立ち上げを行い、HDD・SSD・Flash Mediaの内製化を行った。自身でも1万台以上の物理障害の復旧を成功させている。
・保有特許:特開2017-188178(https://ipforce.jp/patent-jp-B9-6450702
・過去の講演:車載組込みシステムフォーラム(ASIF)様にて、「ストレージの物理障害対応と車載機器へのデジタルフォレンジックの活用例」をテーマに講演。(https://www.as-if.jp/skillup-seminar-2021-3.html
・所属団体:NPO データ復旧技術研究会

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