データの記録媒体として、SDカードはさまざまな場面で活躍しています。この記事では、SDカードのデータ復旧が必要なケースやデータが見れない原因、自身の手や業者に依頼して復旧する方法などについて解説しています。使用しているSDカードに問題が発生している人は、参考にしてください。
目次
SDカードのデータ復旧が必要になるケース
SDカードはデジタルカメラやドライブレコーダー、スマートフォンなどのデータ記録媒体として活用されています。しかし、使用するなかで突然データが見れなくなるケースがあります。SDカードのデータ復旧が必要になる、3つの場面を解説します。
データが読み込めない
SDカードはコンパクトな記憶媒体であり、物理的な破損のリスクも高くなります。接触部分に汚れが付着していたり、経年劣化で摩耗していたり、水没したりすることが原因でデータが読み込めなくなることがあります。
誤ってデータを削除した
自身で誤って削除ボタンを押してしまったり、機器を貸した知人や家族が誤って削除ボタンを押してしまったり、といった行為が原因でデータの復旧が必要になることがあります。また、不要なデータを削除する際に、誤って重要なデータを消去してしまい、データ復旧が必要になることもあります。
誤ってフォーマットしてしまった
誤操作によって、SDカードをフォーマットしてしまうことが原因でデータが読み込めなくなることがあります。SDカード内にデータが残っていることを忘れていた、フォーマットを要求され従ってしまった、などの理由が考えられるでしょう。
自身でのデータ復旧が可能か確認する方法
自身でのデータ復旧が可能かを確認するには、パソコンを使用する方法が容易です。WindowsであればSDカードをパソコンに接続し、「エクスプロ―ラー」から「PC」を開きます。「デバイスとドライブ」から、SDカードを認識するかを確認できます。
スマートフォンで利用しているSDカードであれば、スマートフォンでSDカードの抜き差しと再起動をおこない、認識されるか確認しましょう。可能であれば、パソコンでも試します。認識しなければ、自身での復旧は難しいでしょう。
SDカードのデータが見れない2つの原因
SDカードが認識できない原因には、SDカードに問題があるケースと、端末に問題があるケースの2つがあります。SDカードに問題がある場合は、発生した障害の原因と対処法によって復旧できるかが変わってきます。2つの原因それぞれで適した対処法が異なるため、解説します。
物理障害
物理障害とは、外部から与えられた物理的なダメージによって故障した場合や、データを保存するチップが物理的に故障する状態です。SDカードを端末に抜き差しする際に引っかかったり、接触部分に傷が付いたり、水のなかに落としたりするケースがあります。
スロットへの挿入時に無理な力が加わり、SDカードが曲がったり折れたりする場合があります。また、静電気によって破損する可能性もあるでしょう。物理障害は復旧に高度な技術が必要で、自身での対応はほぼ不可能です。
論理障害
論理障害とは、システムファイルの破損が原因となり、データが読み込めない状態です。データの読み書きの途中にSDカードを抜いてしまったり、誤操作によってデータを削除してしまったり、ウィルスに感染したりすることが原因です。
論理障害が原因である場合、データを認識していなくてもデータは残っていることがあります。SDカードを使用できる状態にしたい場合はフォーマットは有効ですが、SDカード内に保存していたデータがすべて消えてしまうため、注意しましょう。
SDカードのデータを復旧する方法
SDカードのデータが見れない場合には、復元ソフトを使用して自身で復旧を試みる方法と、専門業者に依頼する方法があります。軽い論理障害である場合は、復元ソフトを使用して自身で対応可能です。復元ソフトには、有料と無料があります。それぞれの方法とメリット・デメリットなどを解説します。
自身でSDカードのデータを復旧する方法
自身で復旧するには、復元ソフトを使用する方法があります。復元ソフトには有料と無料があり、無料のソフトであればコストをかけずに復旧できる可能性があります。ただし、復元ソフトを使用するには一定の知識が必要です。
また、論理障害の程度が重度であったり物理障害であったりした際は復旧できず、むしろ状態を悪化させる恐れもあります。不安を感じる人は、専門業者への依頼が安心でしょう。
業者に依頼してSDカードのデータを復旧する方法
自身での復旧に自信がなかったり、物理障害に原因があると思われたり、データが重要で復旧できる可能性を高めたかったりする場合には、専門業者にデータ復旧サービスを依頼しましょう。専門業者が状態をみて判断するため自身で実施するよりも適切な対応ができ、物理障害であっても対応が可能です。
ただし、復元ソフトよりも費用が掛かる点には注意をしましょう。
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復元ソフトによるデータ復旧
復元ソフトを用いて、SDカードのデータを復旧する方法があります。復旧できる理由や使用方法、注意点を解説します。
復旧できる理由
データをSDカードから削除すると完全に消えたように見えますが、削除と同時に消えるわけではありません。ファイル名やファイルのパスなどの情報が削除され、システムファイルに表示されなくなるだけであり、データ自体は残っている可能性があります。
新たなデータが書き込まれたタイミングで上書きされ、完全に消えます。誤って必要なデータを削除したあと、すぐにSDカードの使用をやめれば、復旧できる可能性は高くなります。
使用方法
インターネット上には、SDカードのデータ復旧が可能なソフトがあります。誤って削除したファイルを復旧したい場合、復旧ソフトでも対応することができます。ソフトでデータを復旧する方法は、おおむね以下の通りです。
- 1.ソフトをインストールし、SDカードのデータをスキャンする
- 2.復旧可能なファイル一覧が表示される
- 3.復旧を希望するファイルを選択する
復元ソフトを使用する際の注意点
フリーソフトであれば無料でデータを復旧できる可能性がありますが、注意点もあります。有料のソフトや専門業者への依頼と比べて、復旧できるデータに限りがあります。容量に制限があるソフトが多く、動画や多数の写真は復旧できないケースが多いでしょう。有料のソフトであれば無料のものより性能が高いため、1万円前後の出費ができるのなら、有料ソフトがおすすめです。
また、データを復旧できるか分からない状態でソフトの購入をしたくない方は、診断機能までトライアル版で利用でき、データ復元時に有償版を購入するソフトもあるので、そういったソフトを探してみても良いかもしれません。
SDカードのデータを失わないための注意点
SDカード内のデータが重要なものであり、喪失したくない場合の注意点を解説します。
こまめにバックアップする
重要なデータであればあるほど、こまめにバックアップすることが重要です。SDカード内のデータは、故障やトラブル、操作ミスによって消える可能性があります。リスクを認識し、万が一の事態に備えておきましょう。
上書きしない
SDカードのデータが読み込めないことに気付いたら、すぐに機器からSDカードを取り出しましょう。削除したデータは表示こそされなくなるものの、上書きされるまで残っているためです。ただし、新たなデータに上書きされると完全に削除されてしまい、データの復旧が難しくなります。
安易にフォーマットしない
論理障害発生時、端末に「フォーマットする必要があります」「フォーマットされていません」などのエラーメッセージが表示されますが、データを復旧するには実行してはいけません。フォーマットすると、SDカード内のデータがすべて消えてしまい、復旧が難しくなるためです。
SDカード内のデータが重要なものである場合、フォーマットせずにデータを取り出すことが大切です。なお、物理障害がある場合はエラーメッセージが表示されないこともあります。
分解しない
SDカードを自身で分解すると、ディスクを破損させる恐れがあります。読み込めないからと、分解するのはやめましょう。どうしてもデータを取り出したい場合は、専門業者に依頼しましょう。
不安があれば専門業者への依頼がおすすめ
SDカードのデータ復旧を取り扱う専門業者であれば、SDカードを分解したりデータを復旧したりする設備が充実しています。技術力も高く、自身で復旧を試みるよりも高い確率でデータを復旧できるでしょう。
ソフトでの復旧が困難な重度の論理障害や、物理障害でもデータを復旧できる可能性があります。前述したように、ソフトでの復旧は悪化させる恐れがあるため、見れないデータが重要なもので、費用がかかってでも復旧したい場合は専門業者に依頼しましょう。
まとめ
データの保存ツールとして活躍するSDカードですが、突然データが見れなくなるケースがあります。その際は復元ソフトを使用するか、専門業者に依頼する選択肢があります。原因や障害の重さによって、選択するとよいでしょう。
AOSデータ復旧サービスセンターは、ハードディスクの傷(スクラッチ)の復旧技術や、USBメモリ・SDカードの物理障害の復旧など難易度の高い障害にも対応できる優れた技術を保有しています。メーカーとの業務提携を実施しており、担当者がお客さまを電話・メールにて丁寧にフォローしていますので、メールでの相談やWebでの申し込みをしてみてください。
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執筆者
小菅 大樹(Kosuga Daiki)
■執筆者情報
・会社名:AOSデータ株式会社
・部署名:データ復旧事業部
・略歴:2015年に入社。物理障害復旧部門の立ち上げを行い、HDD・SSD・Flash Mediaの内製化を行った。自身でも1万台以上の物理障害の復旧を成功させている。
・保有特許:特開2017-188178(https://ipforce.jp/patent-jp-B9-6450702)
・過去の講演:車載組込みシステムフォーラム(ASIF)様にて、「ストレージの物理障害対応と車載機器へのデジタルフォレンジックの活用例」をテーマに講演。(https://www.as-if.jp/skillup-seminar-2021-3.html)
・所属団体:NPO データ復旧技術研究会
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