パソコンで「サーバーに接続できません」と表示されると、慌ててしまうことがあるでしょう。サーバーの接続問題は、業務に大きな影響を及ぼすため、落ち着いて適切に対処することが重要です。この記事では、「サーバーに接続できません」との表示に対処したい人に向けて、原因や対処法を解説します。ぜひ役立ててください。
目次
「サーバーに接続できません」と表示される原因
「サーバーに接続できません」と表示されるのは、さまざまな原因が考えられます。主な原因について解説します。
デバイスに原因がある
サーバーに接続できない場合、デバイスの問題が考えられます。ネットワーク検索機能が無効になっていたり、OSのアップデートにより、サーバーへのアクセス権限を示すログインIDやパスワードが、リセットされていたりする可能性があります。
一部のデバイスのみが接続できない場合、資格情報の消失が原因かもしれません。資格情報は、OSのアップデートや誤操作で失われることがあり、再度入力が必要なケースもあるため、注意が必要です。
ケーブルに原因がある
ケーブルの物理的な問題が原因の場合があります。LANケーブルの断線や経年劣化、あるいはケーブルが抜けている、接続方法が誤っているといった場合は、サーバーやインターネットへの接続に影響を及ぼします。
ルーターが問題なく動作していても、ケーブルの損傷や不完全な接続により問題が生じている可能性があります。複数のデバイスが同時に接続できない場合は、ケーブルの状態や接続部分を確認する必要あります。
ネットワークに原因がある
ネットワークの問題が原因となる場合もあります。ルーターなどのネットワーク機器の故障や不具合、システム管理者によるIPアドレスの変更、セキュリティ設定の誤りなどが影響しています。定められた同時接続台数を超えてしまうと、サーバーに接続できないこともあるでしょう。
ネットワーク設定が「パブリックネットワーク」になっている場合も、接続が不安定になります。サーバーにアクセスできない場合は、ネットワーク設定やルーターの状態を確認し、問題を特定することが重要です。
セキュリティソフトに原因がある
セキュリティソフトが原因で、サーバーに接続できないことがあります。セキュリティソフトの設定によっては、インターネット接続が制限され、結果的にサーバーへのアクセスがブロックされます。
複数のセキュリティソフトを使用していると、サーバーの通信速度が低下することがあります。サーバー接続に問題が発生した際は、セキュリティソフトの設定を確認し、必要に応じて例外設定の追加が必要です。
サーバーに原因がある
サーバー自体の問題が原因となる場合は、物理障害や論理障害が考えられます。
物理障害とは、サーバー本体や内蔵のHDD/SDDなどのストレージの故障などが挙げられます。経年劣化や停電、雷、地震といった自然災害が影響することもあります。さらに、サーバー本体の電源が落ちている場合や、電力ユニットの故障も接続問題の原因です。
論理障害とは、ファイルシステムやRAIDに関する情報の損傷、システムファイル自体の損傷が原因でサーバーが正常に機能しなくなることなどが挙げられます。
他に、サーバー側でアクセス権限が変更されることで、接続不可の原因につながることがあります。サーバーに接続できない場合には、物理障害、論理障害を含めた、サーバー本体の状態や設定の確認が重要です。
「サーバーに接続できません」と表示されたときの対処法
「サーバーに接続できません」と表示されたら、どのように対応すればよいのでしょうか。主な対処法を解説します。
別のデバイスで試してみる
サーバーに接続できない場合、別のデバイスで接続を試します。別のデバイスからサーバーに接続できれば、接続元のデバイスに問題があります。どのデバイスからも接続できない場合は、ネットワークやサーバーに問題がある可能性が高いでしょう。特定のエリアでのみ接続できないときは、中継用のネットワーク機器やLANケーブルに問題があるかもしれません。
複数のデバイスで接続ができなければ、サーバーの故障や内蔵HDD/SSDの問題が考えられるため、慎重な確認が求められます。
プロバイダの公式サイトを確認する
プロバイダが原因でサーバーに接続できない場合があります。プロバイダの公式サイトを確認して、通信障害やメンテナンスが発生していないかをチェックしましょう。通信障害では、ユーザー側での対処は難しく、復旧を待つしかありません。
ケーブルを確認する
ケーブルの接続ミスが原因の可能性があります。ケーブルが間違って接続されていたり、奥まで差し込まれていなかったりすると、接続に問題が生じます。また、電源ケーブルが緩んでいないかも確認しましょう。ケーブルに断線や経年劣化が生じていたら、新しいものに交換します。
ケーブルは、少しの衝撃で外れることがあるため、正しく配線されているかを確認し、誤りや破損があれば、修正または交換が必要です。
ルーターのランプを確認する
ケーブルの配線を確認し、ルーターを再起動します。ルーターには状態を示すランプがあり、緑色や青色に点灯していれば、正常に動いています。異常がある場合は、ランプが点滅したり、緑色以外の色が点灯したりします。
アクセス許可を確認する
アクセス権限が正しく付与されているかどうかを、管理者に確認することも重要です。権限が不足している場合は、管理者に付与してもらう必要があります。Windowsアップデートが原因で、資格情報に問題が生じることもあるため、コントロールパネルの「資格情報マネーシャー」で、ユーザー名とパスワードを再設定してみましょう。
IPアドレスの変更により接続できないときは、コマンドプロンプトで「ping」コマンドを使用し、現在のIPアドレスが利用可能であるかを確認します。通信不可の場合、エラーが表示されるため、管理者への問い合わせが必要です。
デバイスを再起動する
デバイスの再起動は、不具合の解消に役立つことがあります。サーバーに接続できない場合、一度だけの再起動であれば、問題ありませんが、何度も繰り返すと機器に負担がかかり、状態を悪化させるため、注意が必要です。
セキュリティソフトを無効にする
セキュリティソフトの影響でサーバーに接続できない場合には、セキュリティソフトを無効にすることで、接続できることがあります。一時的にセキュリティソフトを無効にして、接続を試みます。ただし、無効にすると、サイバー攻撃のリスクが高まるため、抵抗がある人は専門業者に相談しましょう。
サーバーエラーのときのNG対応
エラーの原因がサーバーにあるときは、サーバーに対するNG対応があります。主なNG対応を解説します。
通電を続ける
サーバーに接続できない原因として、内蔵HDD/SSDの故障が考えられます。故障したディスクに通電し続けると、故障が悪化し、追加のディスク損傷を引き起こす可能性があります。
再起動やケーブルの抜き差しを繰り返す
再起動やケーブルの抜き差しを繰り返すと、データ消失のリスクが高まります。RAID構築されたHDDでは、再起動やケーブル操作がディスク部分を動かし、プラッタに傷や溝を作りかねません。SDDでもデータの上書きやファイルシステムの損傷が進行し、RAID崩壊を招く可能性があります。
復旧ソフトを使用する
サーバーのディスクは特殊なファイルシステムが使用されている事が多くあります。また、復旧ソフトを使用すると、データが上書きされたり、RAID情報が崩れたり、故障が悪化したりするリスクがあります。サーバーの接続やアクセスに問題が生じたときは、復旧ソフトの使用は避けましょう。
重要なデータがあるならデータ復旧業者に依頼を
サーバーが接続できない状態でエラーメッセージが表示された場合は、データ消失のリスクが高まります。自力で復旧を試みると、操作ミスでデータを損傷させる恐れがあるため、専門のデータ復旧業者に依頼すると安全です。
業者は高度な技術でデータの修理が可能ですが、業者選びには注意が必要です。無料相談を利用したうえで、適切な対応を行いましょう。
データ復旧業者に依頼する理由
メーカーや修理業者は、データの復旧を行わずディスクを初期化したり新しいディスクに交換する事があります。データを守るためには、専門のデータ復旧業者に依頼することが、データを守る近道といえます。
データ復旧業者の選び方
データ復旧業者は多く存在し、選び方に迷ってしまう人もいるでしょう。主な選び方を解説します。
完全成果報酬型か
「完全成果報酬型」を採用するデータ復旧業者は、復旧が成功した場合のみ料金が発生します。この契約形態は、業者が自社の技術に自信を持っている証拠です。依頼者にリスクはないため、業者選びでは、完全成果報酬型を基準にするとよいでしょう。
実績は豊富か
データ復旧業者を選ぶ際は、業者のホームページで公開されている実績を確認します。上場企業や官公庁からの依頼実績がある業者は、信頼性が高いといえます。データ復旧率は自己申告の数字であり、参考にはなりません。実績や客観的な証拠を重視するとよいでしょう。信頼できる業者は、高度な技術力を持ち、健全に運営されています。
セキュリティ対策が万全か
プライバシーマークやISO認証の取得状況を確認することも重要です。これらの認定は、情報セキュリティ管理の世界基準に適合している証です。また、セキュリティ対策がどのように行われているかも、ホームページで確認できます。
情報漏洩のリスクを最小限に抑えるためには、厳重なセキュリティ体制を整えている業者を選ぶことが重要です。
まとめ
「サーバーに接続できません」と表示された場合、電源を切ることで改善する可能性があります。再起動の繰り返しやケーブルの抜き差しは、状況を悪化させるリスクがあるため避けましょう。データ復旧や修理は専門業者への相談も、解決方法のひとつです。
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執筆者
菅原 一徳(Sugawara Kazunori)
■執筆者情報
・会社名:AOSデータ株式会社
・部署名:データ復旧事業部
・略歴:2015年に入社。弊社にて論理障害およびサーバー/NASなどのRAIDシステムにおける復旧技術を確立し、多くのデータ復旧案件を対応。論理障害の復旧実績8,000件、RAID機の復旧実績は2,000件を超える。※2024年8月時点
その後、デジタルフォレンジックエンジニアとして弁護士事務所や法執行機関等からの依頼でデータの証拠保全・不正調査、ランサムウェア感染機器の調査などを行う。
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