サーバーに接続できない場合、本体だけではなく、デバイスやネットワークなどに問題が起きている可能性があります。対処を間違えるとデータ破損につながるため、機器の状態に応じて適切な対処が必要です。この記事では、サーバーに接続できない原因や対処方法などを解説します。データが破損した場合の対処方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次
サーバーに接続する仕組み
サーバーに接続するためには一般的にルーターなどのネットワーク機器やLANケーブル、無線LANを経由してパソコンにデータを届けます。サーバーに接続できない要因としては、機器やケーブルなどが挙げられます。
サーバーに接続できない場合にやってはいけない対処
サーバーに接続できない場合、機器に障害が発生していた時には、すぐに機器の操作を止めることが大事です。ここでは、やってはいけない対処を解説します。
通電を続ける
サーバーの接続に問題が起きた場合は、電源を切る必要があります。もしサーバーの内蔵ディスクに問題が生じている場合には、通電を続けることでディスクの状態が悪化につながります。共有フォルダのアクセス不可や、接続のエラーメッセージなどが発生した場合にはディスクに問題が発生している可能性が考えられるため注意が必要です。通電によってデータの消失につながる場合もあるため、電源を切ることも検討しましょう。
電源のON・OFF・再起動を繰り返す
電源のON・OFF・再起動は、データの消失につながります。サーバーに接続できない原因の多くは、物理的な故障であることが多いためです。HDDの状態が悪化している場合、より大きな負担をかける場合があります。他の障害を起こす場合もあるため、電源のON・OFF・再起動の繰り返しは避けてください。
ハードディスク(HDD)を取り出す
HDDの取り出しにより、データが消失するリスクが高まります。不用意にHDDの順番を入れ替えると、他のドライブが正常に動作しなくなったり、リビルドが始まってしまう可能性があります。データの取り出しや復旧ができなくなるケースもあるため、注意が必要です。HDDを取り出す際は、データ復旧の専門の業者に依頼することが大事です。
サーバーに接続できない場合に確認するポイント
サーバーに接続できない場合は、パソコンの周辺機器の確認が必要です。ここでは、確認するポイントを解説します。
一部のパソコンが接続できない
一部のパソコンのみの接続不良は、原因の特定や解決がしやすい傾向にあります。たとえば、ケーブルの接続やケーブルそのものの故障、インターネット接続の設定などです。配線の途中にあるハブの故障も考えられるため、別のケーブルや中継機器で再接続するとよいでしょう。他のパソコンの接続状況を確認し、接続不良の問題を見つけましょう。
社内全体のパソコンが接続できない
社内全体のパソコンすべてがつながらない場合、ネットワークに問題があります。ルーターの不具合を確認し、再起動をして接続を回復させましょう。再起動してもつながらない場合は、ルーターやハブなどの交換が必要です。通信プロバイダーや回線工事業者のトラブルの可能性もあるため、接続不良の原因を調べることが大事です。
サーバーに接続できない原因
サーバーは、デバイスやネットワークなどが原因で接続不良を起こします。ここでは、サーバーに接続できない原因を解説します。
デバイス
パソコンやタブレットといったデバイスの不具合は、接続不良を引き起こします。OSのアップデートにより、ログインIDやパスワードが変更されるケースがあるためです。ソフトウェアのアップデートによって、ログインIDとパスワードの両方が自動で変更される場合もあります。デバイスの設定ミスやルーターのSSID・パスワードの入力ミスも考えられます。
ネットワーク
ネットワークの設定を変更した際に、サーバーの接続不良が起きる場合があります。システムの管理者がIPアドレスを変更すると、接続できなくなるため注意しましょう。サーバーは定期的に設定を変更するため、情報の共有が必要です。サーバーの同時接続の台数を超える場合も、ネットワークの処理能力が追いつかずに接続できなくなります。
ファイルサーバー
ファイルサーバーのアクセス権限を変更すると、ファイルへの接続ができなくなります。管理者や編集者、閲覧者の権限が外れた場合、サーバーへの接続が遮断されるためです。また、権限ではなく、サーバーそのものが故障しているケースも考えられます。故障の状態によっては、データの消失につながるため、データ復旧業者に相談することをおすすめします。
サーバーに接続できない場合の対処方法
サーバーに接続できない場合、パソコン以外の周辺機器を確認しましょう。ここでは、対処方法を解説します。
他の機器に接続する
一部の機器で接続できない場合、他の機器でサーバーに接続します。接続の有無によって、サーバーと機器、回線などの問題を把握できるためです。パソコンやスマートフォンなどを利用して、サーバーへの接続を試しましょう。メーカーや端末によっては、接続の相性が悪い可能性があるため、注意が必要です。
機器のランプの色を確認する
ルーターや回線終端装置のランプの色で、接続の状況がわかります。正常に動作している場合のランプの色は緑色ですが、赤色や橙色の場合は問題が発生しているサインです。再起動をしても色が変わらない場合は、機器が故障している可能性があります。ルーターの設定画面からIPアドレスを調べて、ブラウザに入力した後、接続状況を確認するとよいでしょう。
セキュリティソフトを止める
セキュリティソフトは、インターネットの接続に制限をかける可能性があります。インターネットの危険信号を監視し、遮断する機能が接続不良の原因です。設定によっては、「サーバーに接続できない」と表示されるケースがあります。セキュリティソフトを一時的に無効にし、接続を確認しましょう。
サーバーのデータが破損した場合の対処方法
サーバーのデータは、破損の状況によって復旧の方法が異なります。ここでは、データが破損した場合の対処方法を解説します。
バックアップから復元する
サーバーのデータは、バックアップから復元できます。ただし、最後に更新した時点以降のデータは削除されます。また、アクセス権をもつ他の人が編集したデータも消去されるため、注意が必要です。サーバーのデータは、誤操作によって消失する可能性もあるため、こまめにバックアップを取ることが大事です。
データ復旧ソフトを利用する
サーバーの故障の状態によっては、データ復旧ソフトでデータを復元できる可能性があります。しかし、HDDに物理的な破損がある場合は、データ復旧ソフトの使用を避けてください。スキャンをかけると、データが復元できなくなるリスクがあるためです。物理的な破損には、電源がつかない、アクセスができない、異音がするなどがあります。
データ復旧業者に依頼する
サーバーからデータを安全に取り出すためには、データ復旧業者に依頼することをおすすめします。データ復旧業者に依頼することで、データの故障の原因の特定や対処がしやすくなるためです。サーバーのデータ復旧は、HDDに比べて難易度が高い傾向にあります。データ復旧の専門技術や知識があると、データ復旧の確率を高められます。
データ復旧業者の選び方
データ復旧業者は、実績や信頼性の高さをもとに選ぶ必要があります。ここでは、業者の選び方を解説します。
データ復旧の実績がある
データ復旧業者は、実績から判断して選ぶとよいでしょう。実績の数が多い場合、データ復旧の技術が信頼されていることの証拠となるためです。公式サイトに復旧実績や復旧率が数字で記載されている業者がおすすめです。ただし、明確な根拠がない復旧率などの数字が記載されている業者は、技術力が低い可能性があるので注意しましょう。
復旧設備を所有している
データ復旧業者の技術力は、復旧設備の有無で判断できます。精密機器の復旧作業は、クリーンルームという、異物の少ない部屋で作業を行います。データの消失を防ぐために、ホコリやチリなどの付着を防止する必要があるためです。復旧設備をもたずに、データ復旧を外注している業者も存在するため、事前に確認しましょう。
まとめ
サーバーが接続できない場合、デバイスやネットワークなどに原因があると考えられます。対処を間違えると、内部のデータが破損する可能性が高まるため、注意が必要です。データ復旧ソフトを使用する場合でも、データが破損するケースが多数あります。データを安全に復旧するためには、業者に依頼することをおすすめします。
AOSデータ復旧サービスセンターは、スクラッチ・メモリ復旧技術をもつデータ復旧業者です。メーカーと業務提携しており、コンサルタントが電話・メールにて丁寧にフォローします。サーバーに接続できず、データ破損の可能性がある場合、ぜひ利用をご検討ください。

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執筆者
菅原 一徳(Sugawara Kazunori)
■執筆者情報
・会社名:AOSデータ株式会社
・部署名:データ復旧事業部
・略歴:2015年に入社。弊社にて論理障害およびサーバー/NASなどのRAIDシステムにおける復旧技術を確立し、多くのデータ復旧案件を対応。論理障害の復旧実績8,000件、RAID機の復旧実績は2,000件を超える。※2024年8月時点
その後、デジタルフォレンジックエンジニアとして弁護士事務所や法執行機関等からの依頼でデータの証拠保全・不正調査、ランサムウェア感染機器の調査などを行う。
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